タイトル | 忘れられない人〜6〜 |
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投稿者 | ☆くまねこ☆ |
投稿日 | 2016年01月05日 |
『忘れられない人〜6〜』 気がつけば1時間半ほど時間が過ぎていた。 脱力感のままテレビをつけると、 終わっているはずの高校野球がすごいことになっていた。 その試合は、もはや伝説になっている 駒大苫小牧と早稲田実業の延長戦だったのだ。 「もう終わってると思ってたのにねー」 「ほんと。後々、この試合が語られる時には、 ○○とのこの時間のことを思い出すんだろうなぁ」 「うん、…私もきっとそうだよ」 僕たちは一緒にシャワーを浴び、着替えを済ませ、 フロントに降りるエレベーターとホテルの出口でキスを交わして 別れた。 彼女はいつも、店の迎えの車に乗り込むまで、 腕いっぱいで大きなバイバイをしてくれた。 この日は車の迎えはなく、彼女が帰り道の角を曲がるまで、 僕がめいいっぱい手を振った。 彼女は角を曲がる間際、珍しく大きなお辞儀をして姿を消した。 その3日後、彼女の次の出勤を確認するため、 僕は店のHPを何気なく覗き、言葉を失った。 --------- 今回は(店名)をご愛顧いただいている皆様に 残念なお知らせをしなくてはなりません。 当店の人気嬢(○○)が、本日をもちまして 急遽退店することになりました。 今まで○○を可愛がってくださったお客様に、 なんの挨拶もできずに退店することを 本人も心苦しく思っておりました。 本人に代わりまして(店長)がお別れのご挨拶をさせていただきます。 短い間ではありましたが○○をかわいがっていただきまして、 誠に有り難うございました。〈一部くまねこが改変〉 ---------- 彼女は僕との最後の時間に、 既にこのことを決めていたのだろうか。 僕が出会った最高の癒しの女性・○○さんとの、 楽しく、いやらしく、幸せに過ごした時間を時々思い出しては、 彼女の夢であるエステ店経営の夢が叶っていることを 願う日々である。 (おしまい) | |
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