タイトル | 僕を少しだけ大人にした風俗店が閉店した |
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投稿者 | うに丼 |
投稿日 | 2019年05月14日 |
『僕を少しだけ大人にした風俗店が閉店した』 新宿歌舞伎町にあった某のぞき部屋が閉店していた。平成が終わるのと同じ日の閉店だったそうだ。ここは僕が大学生になって上京して、生まれて初めて行った風俗店だった。 僕は社交的ではなく、何よりも童貞だった。向かいのコンビニの前で、エレベーターに吸い込まれていく人たちを見ながら、ドキドキして、しばらく突っ立ていたのを覚えている。当時、歌舞伎町はまだ今ほど外国人観光客が溢れてはおらず、ゴジラもいなかった。 エレベーターが9階で開くと、ドアに付けられた鈴がチリリンと鳴ってびっくりした。待合室には、AVと普通のテレビ番組の両方が流れていた。そしてボロボロになった八月薫のマンガ本があった。 肝心のショーは、こんな綺麗なお姉さんがこんな事をするのかと、とても驚いて、そして興奮した。ハンドしてもらいすごく嬉しかった。新しい世界が開けたと、大袈裟ではなくはっきりとそう思った。 その時のお姉さんが誰であったかは忘れてしまったが、ショーの楽曲はカロリーナ・マルケスの「Sing La La La」だった。これはうちに帰ってから調べて知った。この曲を聴くと、なんとも言えない懐かしさと興奮が蘇ってくる。 僕もすっかり大人になり、時代も変わり、もうあの店は無いけれど、カロリーナ・マルケスと八月薫は、いつでも手の届くところにある。 | |
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