吉原物語 再会編〜③ そして新たな - しんとみちょうの風俗コラム |口コミ風俗情報局

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しんとみちょう(79)
    風俗コラム『吉原物語 再会編〜③ そして新たな』
    タイトル吉原物語 再会編〜③ そして新たな
    投稿者しんとみちょう
    投稿日2021年06月16日
    『吉原物語 再会編〜③ そして新たな』
    2021年4月10日

    昨年9月から時が止まっていた時間が、ようやく7ヶ月ぶりに先に進むことが出来ます

    前回折り返した中華屋さんを超え、その先にある交番を過ぎるとさまざまなソープの看板が立ち並び、正に吉原の街並みです
    数本目の通りを左に曲がると、初めて見るメイちゃんの務めるお店が右手に見えて来ました

    いよいよ入店です

    入り口の自動ドアのすぐ先に受付があります
    NGを出されたのは7ヶ月前の事、その時のスタッフがいるかどうかもわからず、ましてやこのお店と何かトラブルがあった訳でもないので気にする事は無いのですが、何故かオドオドしてしまいます
    かなり表情は固かったと思いますが、幸いな事に昨今の状況でマスクをしていたため少しは救われました

    でも、受付で予約の確認の際、
    「本指名様でよろしいですか?」
    の問いかけに、嬉しいような、少し引っかかるような不思議な感覚を感じさせられました

    受付を済ませて待合室へ移ります
    一人用の皮張りのソファーが9客・肘掛け無しの椅子4客が少し間隔を空けて並んでいました

    これから再会するメイちゃんと何から話せば良いのか、どんな表情で会えばいいのかなどを考えていて、どのくらい待ったのか覚えていません

    番号が呼ばれて、いよいよメイちゃんとの再会です。

    一通りの注意事項を説明され案内された階段の上には、さすがに硬い表情のメイちゃんが待ってました…

    「ありがとう〜」

    の言葉もどこか沈んだように聞こえてしまいます
    写メ日記では時折見ていたので、その姿は7ヶ月ぶりという感じはしませんでした

    お部屋に着いて、荷物を降ろして、ベッドに腰をおろして、昔メイちゃんが好きだったメーカーのカフェラテの差し入れを渡します
    「あっ、、、。覚えてくれてたんだ…」

    メイちゃんも少し間を、いや…一人分くらいあけてベッドに座ります

    何を話したかよく覚えてないのですが、一言二言、質問のような事を投げかけても、
    うん…か、そう…のような返事しか返って来ず、会話のキャッチボールが上手くいがなかった事だけ鮮明に覚えてます

    入院大変だったね…と話しかけた時
    「ううん!全然大した事じゃなかったんだけど、ほら、昔から扁桃腺弱かったじゃない?
    で、疲れからだと思うんだけど結構腫れちゃったから念のため入院したんだ!」
    と伏目がちですが、この日初めてメイちゃんらしい声を聞く事が出来ました

    メイちゃんの声を聞けて安心したのか
    「入院って知って心配してたよ。
    身体の事もそうだけど、このまま辞めちゃうじゃないかって思った…。
    多分、俺が何かメイちゃんの嫌がる事をしたからだとは思うけど、もしそうならごめんなさい、
    謝ります…」
    と反射的に言葉が出てしまってました

    ほんの少しの間があって、
    「あの時の私…ギリギリだったから・・・」
    …と、何とも判断のつきにくい返事のあと、
    「ねぇ…また仲良くして貰えるのかなぁ…」
    の言葉が!

    本当であれば
    ・吉原のお店の面接の結果の連絡がなかった事
    ・池袋のお店の退店から今のお店への入店の間、連絡が取れなくなった事
    そして、今のお店の入店初日にNGを出された事…
    それは何故だったのか?
    こちらに問題があるのであれば何処が悪かったのか?…などなど

    それを確認した上で
    「また仲良しになれるかなぁ…」
    を言うつもり…いや、言いたかった事なのに、全てをすっ飛ばして先に言われてしまいました!

    無視されて、NG出されて、それでも逢いたい!っと連絡した男に
    メイちゃんの「仲良くしてくれる?」の問い掛けにNoと言えるはずもありません

    「勿論だよ!メイちゃんさえ良ければ逆にお願いします!」
    この言葉しか出て来ませんでした

    「うん、7ヶ月分、仲良くしようね」と微笑むメイちゃん

    一度止まってどこかに行ってしまった時の流れが、再び巡り合い、新たな時を刻み始めた瞬間でした

    ( 完 )
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