タイトル | 壇ノ浦夜合戦記(三)牡丹花上露滴り尽す |
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投稿者 | 猫饅頭 |
投稿日 | 2022年08月31日 |
『壇ノ浦夜合戦記(三)牡丹花上露滴り尽す』 (二)と同じく、廷尉は源義経、太后は建礼門院徳子である。 ちなみに本書は、1977年に日活ロマンポルノで監督、脚本を神代辰巳、主演を渡辺とく子、義経役を当時売れていない若き風間杜夫が演じ、『壇の浦夜枕合戦記』として公開された。全文ではなく、房事の部分のみを抄訳する。 『廷尉曰く、なお術あり。この踵をここに集め布いて臣が天下の礎とせよ 太后言のごとくすれば、陽根全く陰心に達す。 太后曰く、ああ、至らざるなし 試みに要所に迫れば曰く、さらに美快。ああ好郎、ああ可憐、いかにしてか飽丁せん 双袖廷尉の頭を包んで緊く脣を接す。』とある。 義経は説いた。「なお、秘術があります。あなた様のこの踵をここにお揃えください。布いて、臣義経を天下の礎としてください」と義経は寝そべり、彼女は義経の言うとおりに上に乗り(騎乗位のなり)、義経の陽根は全く彼女の陰心(陰唇)に達してしまいました。 彼女はは悶え叫ばれました。「ああぁ、もう往ってしまいそうです」 試みに、要所(膣奥)に迫れば、さらに悶えられました。 「さらに美快。ああ、好い郎(おとこ)、ああ可憐なり、このようなことがいつまで続くのでしょうか」 彼女は双袖で、義経の頭を包んで、強く脣(唇)を押しつけられました。(中略) 『太后怪しみ問うて曰く、わらわ、すでに深く愛情を得て衷心君を恋うるや切なり。ゆえに君を良人視す。君よろしく妻視、妾視せよ。まことに楽しむべし。いまなお何ぞ臣称するや 廷尉曰く、太后いまだ知らず、各手みな法あり。はじめ指を労するを探索といい、その次、尻を抱くを逆縁という。次に臣乗るを本間にして、坐して擁するを茶臼という。いまなすところはすなわち地天泰と称す。探索逆縁は主客なり。互いに饗応するを旨とす。本間茶臼は夫妻なり。ただ楽しみを専らとす。それ地天泰におけるや君臣なり。敬を主とす。あに臣称せざらんや 太后驚き降りらんとす。廷尉擁して横臥し、枕を拾うて太后の授く。顔また合い陽根依然として深し。 太后曰く、これをいかんという 廷尉曰く、すなわち横着なり 太后曰く、何に用いるところなりや 廷尉曰く、身分相等し。すなわち正妻の遇のみ 太后悦ぶ。』とある。 徳子は眉をひそめ、問い質した。 「わたくしは、かくも深く情愛を経験できました。心の底からあなたをお慕い申し上げること切なるものです。ゆえにあなたを良人とも思うております。あなたも、わたくしを妻とも、妾とも思っていただけるでしょうか。そのような間柄となって、本当の楽しみを味わいたいものです。それなのに、いまなお、あなたは何故に臣と称するのでしょうか」 義経は応えました。 「あなた様はいまだご存じないようです。各々の術にはみな法則があります。はじめ指をもって労するをしらべ、探る、探索と呼びます。その次、男の身体を抱くことを、逆縁と言います。次に臣が女に乗駕するのを本間(正常位)といいます。坐して相抱擁することを茶臼(騎乗位)と言います。今、行っているものは、すなわち地天泰(地と天の気が交わり和合を果たす卦)と称します。探索逆縁は主人と客の関係であります。互いに饗応するを旨とします。本間、茶臼は夫と妻の関係です。ただ楽しみ睦み合いを専らとします。それに比べて、地天泰の意味は君と臣の関係です。敬い尊ぶことを主とします。どうして臣義経を称せざるを得ません」 それを聞いた徳子は驚いて義経の腰から降りようとされました。 義経は彼女を放さず抱擁して横臥(横臥位)し、枕を拾って彼女の首に敷かれました。二人の顔はまた合い、陽根は依然として女院に深く突き刺さっていました。 彼女は呟かれました。「これを何と言うのですか」 義経は言う。「すなわち横着と言います」 徳子はさらに問う。「何に用いるところなのでしょうか」 義経は応えました。「身分は相等しい。すなわち正妻の遇のみです」 徳子は悦ばれました。(中略) 『廷尉曰く、六種の変化、いずれが最も美なる 太后曰く、本間と茶臼なるかな。しこうして茶臼には君、専らに別手を施さざるや。いまなお余味のあるなり 廷尉曰く、いまだなし。女悦の一術、唯一武臣のわざのみ 太后また廷尉の口を指突す。 廷尉曰く、吐々、ああ、からしと。 廷尉もまた報ゆ。 太后また、とと 廷尉笑うて太后の手を握り、二指相合してひとしく四脣の間にはさみ、相ともに嘗む。 曰く、互に以って怨みなけん』とある。 義経は言いました。「六種の変化はいずれが最も美なるものでしょうか」 徳子は恥ずかしそうに答えられました。「本間(正常位)と茶臼(騎乗位)でしょうか。しかし、茶臼にはあなた様は専らに別の手を施そうとなさるのでしょうか。いまなお得も言われぬ余味があるようです」 義経は言う。「何も致しておりませぬ。女性を悦ばす一術は唯一武臣の技のみです」 徳子は、義経の口を指でつついた。 義経は言いました。「とと、ああ、からい」 義経もまた報いかえした。彼女もまた「とと」 義経は笑って、徳子の手を握り、互いの二指を相からめ合せて、互いの四脣の間にはさみ、相ともに嘗め合いなされました。 そして言われました。「互に怨みっこなしにしましょう」 『太后曰く、わらわすでに孕めるなきや 廷尉曰く、御身、すでに前後の両路を開く。よく知るべきのみ 太后曰く、終始ただその何の故たるを知らず。いま君がなすところに比すればさらに無味、しこうして得たり。ああ、茶臼の美事まさに子を入るるに足る。はたしてこれあらば、君、それこれをいかんとする 廷尉曰く、その児はなはだ尊からん 太后曰く、よく君に類せば、はたして叡智天下に冠たらん。茶臼にして果たして皇帝を得れば、君さらに皇妹をつくれ。わらわ、はなはだ女児を愛す。ああ、長談舌渇けり 廷尉曰く、水か酒か 太后曰く、否』とある。 徳子はつぶやいた。「わたくしは、すでに身籠もったのではないでしょうか」 義経は言った。「あなた様の御身は、すでに前後の両路が開かれております。ご自身でよくご存じことでしょう」 徳子は更に続けた。 「今まで、何をどのようにな行いによって身籠もるかを知りませんでした。今、あなたががわたくしに行ったことに比すれば、まことに味気ないものでした。しかしながら、子を得ることができました。ああ、今夜の茶臼の美味の事はまさに子を孕ませられるに足ります。はたして、子を身籠もったならば、あなたはこの子をどうなさるのでしょうか」 義経は考えながら答えた。「その児は、はなはだ尊く高貴であらせられましょう」 徳子は満足して答えられました。 「もし、あなたに似ていれば、叡智天下に冠たらんとするでしょう。茶臼にして果たして皇帝を得れば、あなた様には、さらに皇妹をおつくりください。わたくしはとても女児を愛しています。ああ、長く談じれば舌が渇きました」 義経は聞いた。「水でしょうか、酒でしょうか」 彼女は答えられました。「違います」 『廷尉曰く、かくのごときかと舌を交へ吸々密々脣に声あり。廷尉右手に股を上げ、膝を高うして肩に及ぶ。股広げてみののごとし。廷尉迫って緊く接す。両腿合して間髪を入れず。 廷尉曰く、ようやく溶化し入らんのみ 太后曰く、入り尽してまみゆるを得ずんば悲しきのみ 廷尉曰く、女児となりて再び出でてさらに御身が鐘愛をうけん 太后曰く、君あり女児あり、一度さらに川字の臥を欲す。君信じてわらわを棄つるなかれ 廷尉曰く、女児をつくるを急務とす 太后曰く、ああ、美快迫る。むしろこの美快に死するを得んか。君願わくばわらわを事殺せよ。ああ、君の手に死さば本望足る。ああ、それ死す 廷尉曰く、鹿のまさに死なんとするや音選ばず。太后まさに死なんとする、その言や美し 太后曰く、ああ、美し 廷尉曰く、心魂ようやく遊蕩す 太后曰く、わらわが心魂いずこにか行かんとす。ああ、行かんとす 相共に曰く、それ行かんとす。それ行かんとす。ああ、それ行かんとす、ああ、それ行かんとす。ああ、それ行けり、それ行けり。』とある。 義経は応えた。「このことでしょうか」と唇を吸い、舌を交へて、唇を吸々として密々に脣(唇)の音を立て続けた。そして感情を高ぶらせ、義経は右手に女の脚をとり、膝を高うして肩に担ぎ上げた。その脚を広げて、箕のようでした。義経は迫って強く抱きしめ、両腿を合して、その間は髪一本も入れませんでした。 義経は言いました。「もはや、溶けきって、身体ごと入ろうとしています」 徳子は答えて言われました。 「でも身体ごと入ってしまったら、顔を見合わせることができなくて悲しいことです」 義経は言いました。 「いいえ、女児となりて再び出でて、あなた様の寵愛をうけたいものです」 徳子は言われました。 「あなたがあり、女児あり、一度に川の字のように臥してみたいと思います。あなたを信じています。わたくしを棄てないでください」 義経は「それでは、その女児をつくることを急務とします」と言った。 彼女は喘いで言いました。 「ああ、素晴らしい、美味なる快感が迫りました。むしろこの美味なる快楽に死にたいと思います。願うならば、あなたに、わたくしをこの快楽で殺していただきたく願います。ああぁ、あなたの手によって殺され死ねば本望です。ああぁ、だめぇ、死めぅ」 義経は言った。 「まさに鹿の死のうとするときは鳴き音は選びません。あなた様は今まさに死のうとされています、その言葉は美しいと存じます」 徳子は悶え、喘ぎ、言われました。「ああ、美し、ああぁ、良いぃ~」 義経は応え、「私の心魂はようやく遊蕩するようです。す、素晴らしい」 彼女も答えられました。 「わたくしの身も心魂もいずこにか行こうとしています。ああ、い、イキます」 両人共に同時に叫ばれました。 「それ、イキます。それ、イキます。ああ、それ。イキます、ああぁ、それイキます。ああぁ、それイキます、それイク~ッ!」 読んでいる方、お疲れ様でした。猫饅頭訳は未熟な訳ですので、ご了承ください。 | |
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