タイトル | 「お茶挽き嬢」とのその後 |
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投稿者 | 洗濯屋のケンちゃん |
投稿日 | 2021年12月05日 |
『「お茶挽き嬢」とのその後』 コラム『待機室もしくはお茶挽き嬢』を書いた時は、ここまで書くつもりはなかったのですが… 今、テレビドラマで「日本沈没」やってますね。 50年ほど前に刊行された小松左京の小説が原作なのですが、これまで何度となくドラマ化、映画化されています。 今回のドラマは原作とはもはやまったく別の話といって良いほど改変が加えられていますが(原作のキャラクターでドラマに出てくるのは田所博士だけですし)、時代の違いを上手く取り入れた面白いドラマですね。 ところで、このドラマを見ると件の「お茶挽き嬢」を思い出すんですよね… 前回のコラムでは、お茶挽き嬢にそれと知って入ってお互いに気まずい思いをした後、姫さんが一念発起して格安店に移籍して人気嬢になった、というところまで書きました。 まさに「鶏卵となるも鶏糞となるなかれ」を地でいくような話ですねぇ。 いや「鶏口となるも牛後となるなかれ」でした(笑) (そもそもこれは違う姫さんの話だったし笑) さて、その後も私はそのお茶挽き姫さん(いや"元"お茶挽き姫ですね)にはちょくちょく通うことになりました。 そもそも第一印象は最悪に近かったんですけどねぇ(^-^*) 姫さんはお茶挽きのダメージで死んだ魚のような目つきだったし、姫さんは姫さんで安っぽい同情心で入った私に対して敵意も露わだったし。 それが格安店に移籍して吹っ切れたように生き生きした表情を見せるようになり、最初は「どうしてるかな」くらいの、いわば野次馬根性に近い気持ちで入ってみたのですが、何となくそのまま何度となく通うことになったわけです。 安い店だったので行きやすかったこともありますし、最初はしっくりこなかったプレイが回数を重ねるにつれて互いの息も合ってきてどんどん楽しく濃い時間を過ごせるようになってきたことも大きかったです。 女性との相性なんて3回や4回で分かるもんじゃないんですねぇ(^-^*) 何度目からは、会うと、 最近どう?(または儲かりまっか?) ぼちぼちでんなぁ(笑) という会話から入るのがお決まりになってました(笑) その店は50分の店だったので、いつも話が多くて"プレイ"の時間が短くなるのがネックでした。 まあ若かったので、20分もあれば一戦は可能だったのではありますが(^_^; ある時、その話の中で彼女が最近小松左京の「復活の日」を読んで面白かったー!って話をしていました。 そういや最近、テレビで映画が放映されてたなぁ、その映画を見て読む気になったのか、と思ったのですが、あの本は人類を滅ぼすことになる病原体のSF設定がムチャクチャ凝っていて、その説明に割かれるページ数も多いのです。 これを読んで面白いと言うとは、なかなか見どころがあるなこの姫さん、てどこから目線だ(笑) 話が逸れますが、あの設定を50年前に構築した小松左京はすげぇですよ。 ちょうど昨今、コロナ禍の影響でこの本も復刻されて本屋に平積みになっていますが、あちこちで書評を読んでもウイルスとか細菌と書いているレビューが多くて、まだあのSF設定をきちんと理解してないな、と思いますから。 で、彼女もやはりSF設定の説明が難しかったそうなのですが、それは別としても物語としてとんでもなく面白くて、興奮して寝られなくなったよ、って言ってました。 で、こんな面白い本、他にない?と聞くので、同じ小松左京の「日本沈没」を薦めたわけです。 上下巻で大変な分量の本なのですが、彼女なら面白く読めるんじゃないかと思って。 さて、その次に彼女に入った時、いつものように部屋に入ってまず、「最近どう?」と聞いたら、彼女、いつものように「ぼちぼちでんなぁ」と返すこともなく、いきなり「日本沈没、面白かったー!!!」とまくし立ててきました(笑) え、もう読んだの? うん、あの翌日に本屋さんで買ってきて、3日ほどかかったけど面白すぎて一気に読んじゃったよ 今度ケンちゃんが来た時にたくさん話そうと思って手ぐすね引いて待ってたのー おー、あの上下巻2冊を3日で読むとは ねぇねぇ、白山てどこにあるの? あぁ、あの僅かに残った日本領土の? あれ、一応この県内だよ(^-^*) 私もずいぶん前に読んだ本だったので、話の細かいところはよく憶えていなかったのですが、彼女の話を聞いているうちに徐々に思い出し、話が弾みまくったのでした。 そして気づくと残り10分。 我々は2人とも、服を脱いでさえいないという(笑) あー、これは今日は仕方ないねー、と苦笑してプレイは諦めたのですが、普段から話が弾みがちとは言え、何一つせずに終わるのはさすがに初めてでした。 彼女もさすがに申しわけなさそうな顔をしてましたが、話に熱中してしまったのはお互い様だから(^-^*) まあこんなこともあるさ、この次にガッツリやればいいやんか。 何より薦めた本を読んでくれる、そしてそれを面白かったと言ってくれることは、本読みにとって無上の喜びなのです。 1回くらい何もせずに帰るハメになったくらい安いものです そして、この時私は、この「日本沈没」の映画が京都のある映画館で翌週からかかることを知っていたのです。 この映画は当時既に10年以上前の映画で、当然普通の映画館では上映されていません。 レンテルビテオ店は県内にようやく数店舗ができたばかりの時代ですし、そもそもビデオデッキがまだ高価で、持っている人も少ない時代でした。 今のように昔の映画を気軽に鑑賞できる時代ではなかったのですが、古い映画を上映する映画館はどの都市にもいくつかありました。 そして京都の名画座で、その翌週から1週間だけ「日本沈没」がかかることを、その映画館からのハガキで知っていたのでした。 会員登録すると定期的に上映予定をハガキで知らせてくれるシステムで、私はその何年か前に往年の大女優(洋画の方です)が亡くなって、その名画座で彼女の出演作の大半がかかった時、学校をサボりまくって見まくって、その時に会員になっていたのでした(笑) (彼女の出演作はほとんど見た) 私も「日本沈没」の映画は未見だったので、観に行きたいな、とは思っていたのですが、試しに彼女に「来週、京都の名画座で映画やるよ」って言ってみたら、「ええっ?観たい!観に行きたい!」って食いつくこと甚だしい(笑) ただ京都はけっこう遠いよ?100km以上あるよ? う~ん、ねぇ連れてってよ ケンちゃんも見るんでしょ? うん、今週末に行こうと思ってるんだけど どうやって行くの?電車? いや車で じゃあ一緒に行こうよ 高速代、出すからさ …はい、車に乗せて2人で行きましたよ。 朝6時に駅前で待ち合わせて。 行きの車の中でも「日本沈没」トーク炸裂(笑) そりゃまあ、店で時間いっぱい喋ってしまったとはいえ、たかだか50分のコース時間です。ろくに喋れませんて(笑) 映画を見た後は飯食いながらトーク継続(笑) で、その後は… ご想像にお任せします(^_^; その後も普通に店に通い、外で会うことはなかったのですが、この1年後くらいで彼女が卒業する時、最後だからもう1回デートしよ?って誘われて某温泉で1泊しました。 白山にも行きました(笑) 車で登れるところまでですが。 そうかぁーここが日本の最後の領土なのかぁ、という感慨を白山で抱く人は他にいなそうですが(笑) 今、テレビドラマでやってる「日本沈没」を見てると、何だか彼女のことを思い出したので(^-^*) 彼女もこのドラマ、見てるのかなぁ。 一緒に見るような家族がいると良いのになぁ。 そんでもって俺のこと、ちらっとでも思い出してくれるかなぁ。 なんてことを思いながらドラマを見ている、というわけなのでした。 | |
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