タイトル | 喫茶去 ー 秋の味覚 |
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投稿者 | 風のヒューイ |
投稿日 | 2020年10月23日 |
『喫茶去 ー 秋の味覚』 10月になってスコーーンと涼しくなってきましたねー。 あのクソ暑くうだるような夏が永遠に終わらないんじゃないかなとか思ってましたが季節というものはちゃんと巡ってくるものですね。 秋は過ごしやすくなるし旬を迎える食材も多いので『食欲の秋』なんて言われますよね、こちらの多くの方は『性欲の秋』なのかもですが… そんな秋になると俺には思い出す人がいます。 もう数十年前の話ですが俺は大学を出た後にとある食品会社に就職しました。 いくつかの部署を回って何年目かで大阪営業部に配属になりました。 食品会社なので季節毎にその季節に合わせた商品を出さなきゃいけなくて企画会議がよく開かれました。 ある秋の新商品企画会議でちょっと煮詰まったなぁという時にKさんという係長が、 「秋の味覚、栗と栗鼠!」 と発言しました。 K係長は定年間近で係長になった遅咲きで、本人には出世欲はなく、本社の係長より現場で働きたいという職人気質な人で、優しさとユーモアに包まれていて、年下の部長や課長らから親しみを込めて『オヤジ』と呼ばれて愛されていた人です。 『栗と栗鼠』というのも場を和ませるためで、狙い通りみんなから 「オヤジ!何しょーもないこと言ってるねん!」 「栗はともかく栗鼠なんてどーやって食べるねん」 「お前の汚い嫁のでも食とけ!」 等々の愛あるツッコミをもらってまんざらでもない顔のK係長。 とまあこういう緩くて牧歌的な会社だったのですがそれが一変する出来事が起こります。 時代の流れでその会社も生まれ変わらなくてはならないとヘッドハンティングを積極的にするようになり、大阪営業部の部長にも東京の某大手量販店で敏腕をふるっていたDという人が着任しました。 D部長はチャキチャキの江戸っ子で大手企業で実績を残してきたのでその厳しさは半端なかったですね。 もう二度と会議で『栗と栗鼠』なんて言えない雰囲気になりました。 とにかく数字と管理の世界で、各課長、係長は徹底的に締め上げられたのですが一番のターゲットはK係長でした。自分よりはるかに年下のD部長に、 「おいオヤジ!ここの人件費カット、先週実施するって言ってたよな⁈出来てねーじゃねーか!いつやんだよ!こっちは遊びでやってんじゃねーぞおい!」 みたいに言われてただただオロオロするばかり。 そりゃ今まで数字とか気にせず、仲良く楽しく働いてたら売上なんてものは上がる、くらいの気持ちでやってきた人だし。 やがて1年くらいするとD部長のさすがの手腕で売上も上がりD部長は東京営業部に栄転となり大阪営業部一同ホッと胸を撫で下ろしてました。 しかし一度その方向に舵を切った会社は元には戻ることなく、後任の部長はD部長ほどではないけどやはり厳しい人で、K係長はよく「現場に戻してほしいなあ」と寂しそうに言ってました。 その頃に俺は会社を辞めたのでその後のことはよくわからないし、K係長とも一度もお会いすることもなかったのですが、数年前に当時一緒に働いてた人からK係長が亡くなったということを聞きました。 俺はK係長にはホント可愛がってもらったし、よく係長行きつけの、とうに還暦過ぎたおばさんママが一人でやってる場末のスナックに連れて行ってもらって、そのどう考えても綺麗と言えない婆さんのようなママさんを真剣に口説こうとしているK係長を思い出したり、『栗と栗鼠』と嬉しそうに言ってみんなから突っ込まれてニコニコしていた顔を思い出し、ただただ冥福を祈るばかりですが、俺の中で生き続ける「秋の味覚、『栗と栗鼠』!」という名言(迷言?)に従って、今年の秋もたっぷり秋の味覚を味わうために風活しなくちゃなと心に誓うわけです。 秋に限った話ではないような気もしますが…(^^; ちなみに『栗と栗鼠』の栗部分をむき栗にして召し上がる方もいると思いますが女の子によってはあれが痛い子も多いらしいので注意が必要です。 オキニまでには至ってなかったのですが何度か入ってオキニ間近まで来ていた某嬢はむき栗が気持ち良いと言ってくれたなあ。 残念ながらその子は9月いっぱいで在籍落ちしました。 その子だけでなく、10月に入って一度入ってまた会いたいなあとマイガール登録していた嬢が3人もいなくなって、嬢との別れはいつでも寂しいものだけど、秋はことのほか寂しいものだなあと切なくなりますね。 人肌恋しいいつもの秋です。 | |
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