タイトル | 風活後の食事 |
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投稿者 | 抹茶コーヒー |
投稿日 | 2020年01月15日 |
『風活後の食事』 自分は風活後は、必ず外食をします。 元町~三宮の餃子専門店、新開地アーケードの中華、お好み焼き屋、などに行く事が多いです。 その日はお好み焼きの気分だったので、グーグルマップで周辺を検索したところ、福原から北側の商店街は定休日だったので、新規開拓をしてみます。 店に入ると、おばあさんが椅子に座り新聞を読んでいました。 「いけます?」 「あ~あ~ありがとうございます。どうぞどうぞ」 「どこ座ればいいですか?」 「どこでも。見ての通り誰もおりまへんから笑。テレビの見える場所がええんちゃうかいな」 「じゃあそこにします」 おばあさんが座っていた場所に腰掛けます。 「キリンの瓶ビールと豚のお好みで」 「はいはい、ありがとうございます」 ラガービールを持ってきます。 自分は一番搾りよりラガー派なので、ちょっぴり嬉しい。 「チーズ食べれます?」 「食べます」 「焼くの時間かかるさかい、チーズでも食べとき」 誰もが見た事のある、6Pチーズが一個お皿に乗せて運ばれてきます。 ややシュールな光景に苦笑いをするも、おばあさんの気配りになつかしい感じがします。 「あんた、豆餅食べれるんかいな」 「豆餅好きですよ」 「ほな一緒に焼いたるわ。まだようけ残っとうねん」 お餅を焼いてくれます笑。 「へぇ、それ正月に作ったお餅?」 「あんたよう分かっとうな!」 「昔正月に田舎のおばあちゃんの家に行った時、雑煮用の白餅と豆餅と作ってたからね」 「へぇ。若いのに珍しいな。田舎どこかいな?」 「岡山ですよ。美星町ってとこ」 「ビセイチョウ?聞いた事ないな」 「美しい星の町って書いて美星町。星が綺麗なんで有名。餅は100個くらい作って、ござに並べてたわ」 「へぇ、ござに。あんたよう知っとんな。ほうかほうか。んでも、おばあさん、お餅食べてくれて嬉しいわ。最近の若い客はお餅勧めたっても、みんな断りよる。あんた彼女おるんかいな?」 「いませんよ」 「ほうか。女には気をつけなあかんで。最近はカップルが来ても、女はスマホをずーっと弄って、お好みにしても取るのは男や。あれを見てたらわたしゃ腹がたってなぁ、一言言いたくなるんやわ笑」 自分のペース、おしゃべり好き、客の愚痴とソープだと地雷確定ですが、ところがどっこいここはお好み焼き屋。 こちらの気分も盛り上がってきます!(^^)! お好みと豆餅とピンク色のお餅が運ばれてきます。 豆餅は普通でしたが、ピンク色のお餅は甘くておいしかったです。 味からすると、すあまを焼いたのかな? お好みを食べ終わる頃に、焼きそばかうどん焼きも頼もうとすると、 「あんた、まだお餅食べるか?芋のやつもあるんや」 「へぇ、じゃあ食べます。それと・・・」 メニュー表を手に取ろうとすると、 「そんなんええ、ええ。余計なお金使ったらあきまへん」 完全におばあさんのペースに飲み込まれて、焼きそばを諦めてしまいました笑。 この店来る前にソープ行っていたと言ったら、2時間くらい説教されそうですね笑。 レモンチューハイを頼み、餅が焼けるのを待ちます。 すると店の奥からもう一人のおばさんがやってきて、さらに話が盛り上がります。 「さっきのピンクのお餅おいしかったわ」 「あれは長田商店街のとこで買ったやつやな」 「へぇ。あそこ高校の時毎日通ってたから、その店知ってるわ。和菓子の老舗やな」 それから高校大学の話をしていると、芋餅が運ばれてきます。 「めっちゃうまいやんこれ!こんなんはじめて食べたわ」 「ほうやろ?芋餅はうまいんや」 その後焼くのに時間がかかっていた丸餅がきます。 「丸餅はやっぱ砂糖醤油やな。砂糖ある?」 「砂糖は置いてないな。2階にあるから取ってきたるわ」 「あ~ええよええよ。醤油だけで旨いし」 「待っとき。取ってくるわ」 こちらの言葉はスルーされ、おばあさん砂糖を取りに行きます。 こうなったら素直に従うしかありません笑。 砂糖醤油で丸餅もおいしくいただき、計4種のお餅を堪能しました。 芋餅、丸餅、すあま餅、豆餅の順でおいしかったですね。 普段風活後は一人でレポートの下書きなどをしながらまったりと食事をする事が多いですが、この日は貴重な体験ができたのでコラムに書いてみました。 満足だった風活後は無口な人すら変えてしまうのか、珍しく自分も饒舌でした笑。 | |
この風俗コラムへの応援コメント(10件中、最新3件)
- taca4(12)2020/1/26>>抹茶コーヒー(28)の『風活後の食事』のコラム先日は、コメントありがとうございます。
具体的な感想を伺え、嬉しく、ありがたいです。
改めて読み、私なりに、ご投稿のポイントを探して書いたと思われますが、それで、いいキャッチボールになっていたようだと、喜んでいます。
美星町は、文字通り星が美しいそうですね。遠藤周作のエッセイで、それを知った昔の彼女が、行きたがっていました。
お皿に乗せられた6Pチーズ一個が、秀逸に思います。優しさが濃いけれど、お皿の分上滑りしない。そこに、お姉さん(私は年上の女性は全てお姉さんなのです)の奥行きを感じました。
感情や情景描写が同じリズムで刻まれ、その流れが読み手にまで通じます。