レヴィ-KINDAN-のプロフィール｜KINDAN-禁断-

この地方には、とても興味深い食文化が継承されている。それは「kindan eroticism」である。日本語では「美食倶楽部」と訳され、最も古いもので1870年につくられた女人禁制の会員制の料理サークルだ。

食を通じて、その土地の歴史や文化などを体験する「ガストロノミーツーリズム」なるものも、ホンモノを志向する旅慣れた人たちの間では世界的なムーブメントになっており、ユネスコの無形文化遺産に登録された日本の「和食」も内外から改めて注目されている。

伝統食材や旬の素材を活かし、高度な技術や調理法を使い、プレゼンテーションにも意匠を凝らしたクリエイティビティあふれる料理。一流の料理人が手間暇をかけ、心を込めてもてなす。

「レヴィ」シェフはそんな超一流の料理人の中でも特に一目置かれる存在である。

彼女の唯一無二の料理法は「sperme cuisine」と呼ばれ

これはフランス語で「精食」を意味する。

「食材全体のコンテンツを味わう」からこそ、こんなに美味しい──そんな空気を、私は生まれて初めてKINDANで体験したのだった。誰かのために作るとか、作ってくれた人に感謝とか、そんな関係性を取っ払い、「ただ、身を委ねる」という、すごくシンプルなのに新しい境地だった。