「へぇ〜…中はこんなんなってんだぁ〜」
ベッドに腰掛けキョロキョロと天井あたりまでを見回した。
真新しい内装はどこもピカピカで、昔からあるお店にありがちな薄暗くどんよりと雰囲気はまるでなく、天井の隅の黒カビのなどは見当たるはずもない。
腕時計をはずし、ポケットから財布とスマートフォンを取り出しベッドの上、まだ空っぽのプラスチックの大きなカゴの底に並べて置いた。
なみなみと溜められた浴槽の湯気に促されるようにTシャツを脱ぐと、ほどよく効いたエアコンが軽く汗ばんだ肌にちょうどよかった。
「あっ、ごめん…自分で脱いじゃった」
目の前にひざをついて座っている彼女に気づいてそう言うと、にっ…

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