episode128『アンフィニッシュド伝播組』
扉を開け、私の顔を見るなり彼女は爆笑する。これは以心伝心なのか、彼女を見た私も急に可笑しくなり、一緒に爆笑していた。
お互い少しの間笑いが収まらず、挨拶もおざなりになった。「もう、笑っちゃってごめんなさい」と手で口を隠しながら彼女が言う。「こんなに早く来てくれるなんて。でも早いですね。あはは」と収まらない。私も釣られて「いや、俺も早すぎるかなと思いましたよ」と笑う。「だから、今日やめようかなとか、いやほんとに」「こんなに早く来てくれた人いないですよ。もうー、可笑しい。でも、来てくれて嬉しいですよ」彼女が悪気がないのが分かるから、笑…
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