episode110『猫目ちゃんの夜想譚』
シャワーを浴び終え、バスタオルであちこち拭いているとノック音が聞こえた。慌ててドアを開けて向かい入れる。
私を認めると「あー」と彼女の第一声。その声色は『久しぶりに、来てくれて嬉しい。でもぜんぜん来てくれなかったよね』という哀歓の入り交じったニュアンスになっていて中々雄弁だった。まぁ、そうだろうなと思いつつ、お互い近況を話し合った。
沙耶さんによると、私が最後に来たのが去年の10月だったとの事で随分と来てなかった。しかし、沙耶さんの記憶力がいいのには驚く。
それから、お店の現状等に話は及んだが、私は沙耶さんの変わらない、可愛…
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