「まさか」とは思ったんですかね?
何となく恥ずかしそうな顔をして私の手を取り、奥の部屋に
引っ張っていきます。
「あれ、靴ここで脱ぐんだっけ?」
「そうですよ!、はい、入って。」
「前に来たときは大雨だったんだよね。」
「そうですね。ここに水溜まってましたもんね。」
そういって偶然にもあの日と同じバッグを指差します。
私はもう勝手にベッドに座っているんですけど、
彼女的にはもう会話ってムードじゃなかったのかな。
無言でギュッと抱き着いてきます。
あまりにも真剣に抱き着いてくるので、悪戯ではないですけど、
耳元にチュッと。
「ウンッ」
「…
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