ラブホ紀行 目黒・行人坂より - ルーリー９nineの風俗コラム ｜口コミ風俗情報局

70年代後半に思春期～青春期を過ごした向きには特別なホテルであろう『あの目黒エンペラー』へ！四十年近い歳月を経て、ついに！人生初の入室を果たしました！※
それは本コラムに先行してホテル体験談にてUPしておりますが、ま、ホテルだけでなく諸々書き連ねてみたい所存にて。


【前略、坂の上より】
待ち合わせたJR目黒駅は、実は目黒区ではなく品川区。同様に、JR品川駅は港区。しかしJR板橋駅は豊島区…と言いたいが、駅事務室は板橋区に入るので板橋区そのままということになる、例え『ホームの大半が豊島区』だとしても。

午前10時20分、待ち合わせ10分前。相手の方が少し先に着いていた。紺の春コートに黒髪のツィンテール…共同利用者だ。
目黒駅前で食事をとる。権之助坂を少し下り、ホテルレオンを通り過ぎる…今日はここではない。果実園リーベル。
この時間に待ち合わせた理由は、リーベルのモーニングセットが11時だから。自分が遅れる、電車が遅れる分の余裕もあるが、並ぶのだ、この店。実際、この日は店内で3人待ちなので10分程度で座れたが、帰る時には15人程度は並んでいたので、やはりギリ着は危険すぎる。
モーニングセットは既に4種の内Ｂセットが売り切れていて、私はCのフルーツサンド、相席者はDのライ麦サンドを頼んでシェアした。男には、ちょっと軽いランチだが。
ランチ？実はちょっと早い昼御飯。私たちはお昼前に合流し、ランチを済ませるかお弁当を買った上でホテルの敷居をまたぐのがお決まりスケジュール。平日フリータイムを常用する理由はそのためだ。

食後、権之助坂を下(お)りて目黒新橋へ…と行きたいところだが、目黒駅に戻り駅ビル・アトレ２の成城石井でつまみ菓子を買うのだ。

アトレ２から手前の狭い通りを行く。広いがけっこう急な権之助坂よりもさらに勾配のキツい行人坂を下るのだ。
と、急に目黒川にかかる太鼓橋が眼下に現れる。空も開けている。この見晴らしの良い景観！こちらの道を選んだ所以だ。それに下りなので、坂が急でも気にはならない。

右手のホリプロビルが建つ路地、左手の大円寺を過ぎると、目黒雅〇園が陰から現れる。まっすぐ伸びた坂道の先には目黒太鼓橋。橋から右の上流・中目黒方面、左の下流・五反田方面…どちらを向いても川の両岸はピンク色の洪水だ。

桜に目を奪われつつ、右手の左側の岸辺にそびえる西洋城郭をイメージさせる造りの目立つビルがある。そうだ、それが『あの』目黒エンペラーなのだ。
私たちは花見見物で人の流れる川縁の歩道から、車道の向こう側の歩道をゆく。一眼レフで桜を歩き撮りしながら、そのまま歩いて入れるように開いた目黒エンペラーの入口に、自然にスッと入る。ホテルの入口が建物正面ではなく脇に間口が空いている理由を、身をもって証明させてもらう。


【ホテル】

🎵窓を開ければ  港が見える…って、淡谷のり子『別れのブルース』か？！
…いや、窓を開ければ港は見えないが『桜が見える』のだ。目黒エンペラーの702号室は概ね南向き。東の目黒川に臨む入口、駐車場入口に対して、味気ない平たい外壁だと思っていたが、こんなサプライズがあろうとは？！

目黒エンペラーのホテル体験談は既に掲載済みなので、詳細は繰り返さないが、思ったより(高い割りに)広くはなかったが、平面図よりも広く感じられる居室は居心地は良い。風呂場も浴槽が少々狭いものの、まぁ、小柄な二人が密着するには逆に好都合ではあったし、窓外の景色というサプライズと合わせて、高い料金も気にはならなかった。我々は気分よくホテルを後にできた。

目黒エンペラーにすんなり入室できて実行しなかった『保険』プランは、太鼓橋を渡って右ではなく左に曲がる。右岸の川縁を10分余り、花見を楽しみながら五反田へ向かい、ピンクの部屋だらけと思われるホテル…ホワイトボックスに行く。桜に合わせてピンクの部屋を狙ったのは言うまでもない。
部屋数がそう多くないようなので満室なら仕方ないが、平日の昼間でもあり、他のホテルでも妥協はできる。ホテルを桜に合わせなくても、相手を楽しませるのは花見まででも充分てまはある。今までも、予定の店に入れずホテル街をさまよった時でも、不満を表に出すような相手ではないので。私はビジュアルも好みではあるが、控えめな人となりを好いてもいた。


【晴れの権之助坂】

ビートきよし『雨の権之助坂』で初めてこの坂を知った人は多かったのではないか？

目黒エンペラーからの帰りは、当然、来た道を戻る訳がない。目黒エンペラーの左手にかかる目黒新橋を渡り、目黒通りを二つに権之助坂。手前側から行けば、目黒川から目黒駅に向かうには最も楽に登れるコース。女の足を気遣うなら、この選択しかあるまい。

普通にキレイでおしゃれな商店街の坂道がこちら側。リーベルのある向こう側は道幅のより狭く、アーケード商店街もかなりの区間で残している。それはそれで目黒に残る古い町並みを楽しめるし、おしゃれな店もあるのはもちろんのこと。
ただ、帰りは単に駅への道のり。一昨年の花見…東京工業大学大岡山キャンパスという穴場から、等々力の大和リゾートでくつろいだ想い出、目黒川の桜、その桜の満開を見下ろすホテルからの景色、フルーツいっぱいのランチなどを話題におしゃべりをしながら、これからどこに寄る訳でもない。坂のゆるさこそがありがたいのだ。風情は帰り道のこの場では必要ではなかった。

来年はどこで花見をしようか。劇的な地形効果のある今日のルートの目黒川の後だけに、新宿御苑なんかの方がいいだろうか。


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※…ラブホがまだ対面式の和室・連れ込み宿が当たり前だった時代に、突如現れた豪華な洋室ホテル。1970年代後半の関東エリアで、深夜に流れるよく観るTVCMと言えば、キャバレーのロンドンか目黒エンペラーと相場が決まっていた。平日の深夜など誰がテレビを観ているか分からないから、放送局は各チャンネル、大人のバラエティ番組かお蔵入りした番組のやっとの放映、ドラマかバラエティの再放送と、実に寂しいラインナップが細々と流されていた。そこで流されるCMはスポンサーも少ないため同じものが何回も何回も繰り返されていた。そんな中で、親の目を盗んでこっそりと青少年が居間のテレビを観る時に、繰り返し観て刷り込まれたCMの代表がロンドンと目黒エンペラーだった。もちろん、テレビはひと部屋ではなく『いち家庭に一台』という時代背景のもとに生じた事。