タイトル | 芳賀書店 |
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投稿者 | ケイ君 |
投稿日 | 2017年04月05日 |
『芳賀書店』 こんな、書店の固有名詞を出したことろで 判る人は限られると思うがこの書店の話が、前回のブログの続きである。 あのお宝を販売している「ビニ本」屋の書店名それが芳賀書店。 最近は、時代に流され書店とは名ばかりDVDショプになってしまったが、当時は夢の様な書店であった。 それでは続きをどうぞ!! 「お~あったぞ」 「あそこのビルじゃね~」 「おお、確かにガラス張りのエレベータや」 今じゃ、お店の側面にガラス張りの外の風景を見ながら上る事ができるエレベータは物珍しくもなんともないが当時は、結構めずらしい物であった。 「おおここじゃ」 「でも、このエレベータ外から丸見えじゃね」 「エロ本買いに行くのばれるじゃん」 そんな男の行動を気にする奴は、自分らの周りにはいないというのに、やたらとこれから行く世界がやばいところで、そこへ行こうとする自分達のことを罪悪感からとても通常の発想しないような事まで連想するところがおかしい。 「おい女性も乗るぜ、同じエレベータ」 「え~」 当たり前である、古本街の雑居ビル。 今の時代では、1階から最上階までが全てエロ専門店が普通のビル事情であるが、当時はそんなことはあろうはずがなく。同じビルに入る、他の書店や専門店に用事のある女性客はそのエレベータを利用するのは当たり前のこと。 誰が、同乗した客がどこの本屋に行くかなんて気にする訳など無く、ましてやエレベータの案内表示に、書店名が書かれているがどんな本を取り扱っているかなどの説明がある訳ではない。だから気にする必要もなく、ましてや他人の買い物に何を買いにこのビルに来たのかと気にかけ奴は存在はずもなく。 殆どお上りさん状態の怪し高校生3人組・・・・ 「もう、ここまで来たら行くしかないべ」 「よし、いまは誰も次来るエレベーターを待ってる他の客は居ない、今だ乗り込め」…エレベータ前で騒ぐ学生の方がよっぽと怪しいW そんな店に入る前から、舞浜にある施設の乗り物に初めて乗ったお客の様に、気持ちが高揚して、絶好調の状態。そして幸い乗ったエレベーターには、同乗者に女性は居なく、しかも押されている行き先階がなんとも1つ同じ階だけであった。そう、同乗している自分達3人以外の他の2名の親父も目的は同じで合った。笑。 エレベータが目的階に停止するとドアが開く・・・・・・ そしてその先には、想像を超えるなんとも別世界が広がっていた。 ところ狭しと積まれている、ビニ本の山々。 通路の一角に陳列されている、見たことのない道具、そう大人おもちゃやSM用品。 通路の上には、空気を入れて膨らまされているとてもプールで使うものでは無い事は誰しも判る、口と下に穴の空いた等身大の空気人形。 そこには男のまさにロマン(オマン)が広がっていた。 店の中には、会社の営業を抜け出して来ている様なサラリーマン風の親父や若い兄ちゃんが、他の人目など関係がなく、自分の目的のものを 物色している。みんな本を見る目がちがう。 そして自分も想像以上の世界に、エレベーターを降りてからずっと起ったままの息子をズボンのポケットから目立たない様に片手で抑えつつ、お宝探しへの旅にでるのであった。 店は、お世辞にも広いとは言えない 通路に人が立つと、その後ろを小声で「すいません」と一声かけて擦違わないといけないような状態。 置かれている本は通常の雑誌を販売している書店と変わらない陳列状態。上にひな壇状態で3段程度の本が立てて陳列されており、その下には3列位で隙間を空けることなく置かれている本の山。ただ他の書店と異なる事は全てがビニールに包まれていて中を確認する事ができない状態、まさに「ビニ本」状態になっていること。 それと、なぜお宝探しかというと、当時の警察事情もあるのかもしれないが表紙と裏表紙は、決して中を想像できる事ができない、ごく一般のヌード写真に近い状態になっており、淫靡なタイトルと見たい部分は薄いパンティーに隠されているか、ポーズで見えないようになっている、そんな本ばかりが陳列されている。 場合によっては、普通のエロ写真集の様に局部に修正が施されている。または油性のマジックでお粗末にも塗りつぶしたものもある。 そんな、状態から少しでも自分の好みの女優を探しだし、ビニールで包まれている中をタイトルと表紙を頼りに想像して買う訳だから、まさにイチカバチの博打状態。はずれを引かないようにするには、まさに天のみぞ知るギャンブル。 売られていた本のジャンルは、ロリコンものから熟年まで。ジャンルはノーマルからスカトロ、SMまでよりどりみどり。 自分は、日頃のアイドル好きが転じて中でも、かわいい女優の本を1冊見つけ出し選びました。1冊、1500円するその本の表紙は局部がマジックで黒く塗られています。 もう1冊は、2000円で表紙も薄いパンティーで、想像を掻き立てれはなんとなく見えて居る状態。モデルさんの顔は少し我慢しても、見たいものが見れれば2000円ならなんとかなるさと自分に言い聞かせ 、清水の舞台から飛び込む思いで、歳のいった老婆が座っているレジへ2冊を持って行った。事務的な会話で、「はい、3500円」「はい、これ商品」「はい、おつり」 交わした会話らしいのものはこの応対だけ。ただ、商品を受け取り、目線を合わせないように 俯いてレジ前で待つ自分がそこにはいた。 気持ちは、もう用が済んだ書店にはない。 自分の部屋に帰って、1秒でも早く購入したお宝の中身を確認するだけ。 しかし、すっかり忘れていた。戦友が居る事を 「お前買ったか」「俺も買ったよ」「俺も」 「よし、俺の家にいって」 「見せあおうぜ~」 なんとも、一人で楽しむはずの僕の下半身のアイドルが・・・・・ でも、友人の買ったお宝も気になるので、泣く泣く一緒に友人宅へいく事にした。 友人の家は、神保町から近く数分後には戦利品の公開イベントが始まろとしていた。 「お前、何買った」「おお~かわいいじゃん」「アイドル見たいだな」 すると、今回のことの発端を作った友人がぼそっと・・・・・「それはずれじぇね?」 「え~、なんでよ、すげーかわいいじゃん。」 「この子のあそこが丸見えなんだぜ」 「ハズレな訳無いだろが、もうお前には見せん」 「お前にが思っているような内容だといいけどな…」 ・・・友人は何かを隠している様であった。 「そんなことないべ~」といいつつ梱包のビニールを一生懸命にやぶよろうとする自分。 やっとの思いで取り出して、頁を捲ると ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「やっぱり」 「何がやっぱりだ~」 「ちくしょ~、俺のバイト代返せ」 そう、表紙だけではなく2頁目以降もマジックで塗られていたのであった。 頭の中が、真っ白になった。 自分の中で憧れ勝手に描いていたエロ本のアイドルの秘部がものの見事に、真っ黒に塗られていた。 「ごめん、忠告するの忘れとった」 「兄貴に言われていて、かわいい女の子の本は注意しろって、すっかり店に入る前の興奮で伝えるの忘れとった、ごめん」「なんでそんな大事なこと言い忘れるわけ?」「勘弁してよ〜」 後の祭りである。後で詳細を友人に確認してところ、かわいい子のやつは、秘部を見せなくても売れるケースがあるので結構、この黒塗りパターンが多いらしい。 「それに、可愛いこが見せる訳無いだろ!」 「お前みたいに騙される奴が多いって事だよ」 そんな事で落ち込んでいる自分とは異なり友人は、自分の買ってきた本を見ながらトイレを往復している。 そんな中、もぬけの殻となった自分は友人の戦利品を確認する事もなく 黒く塗られた開封済みの本(もうすでにビニ本ではなくなった本)と開封していないもう1冊を持って、早々と家路に着いたのでした。 家に帰った自分がとった行動は、帰る途中の電車の中で考えたあの黒い物体を消す方法。 そう、まだお望みは捨てていなかった。 家に帰ると自分の部屋にあるベットの下に2冊の本を隠し、家族との夕飯とテレビの時間を何時もの様に過ごした。本当はこれから自分の部屋で行う計画で頭の中は、夕飯どころのさわぎではない。 怪しまれない様に何時もと同じくらい家族との時間を過ごしいるなかの本心は、早々と自分の部屋に籠りたい一心であった。 数時間後 当時、プラモデルが趣味であった事が幸いしてシンナーが自分の部屋にはあった。 油性マジックにシンナー、まさに正攻法。 マジックの裏に隠れている憧れのアイドルの秘部を描きながら、シンナーの染み込ませたチリ紙(当時はティッシュなんで上品なものはなかった)を片手に黒いマジックの上からなぞる、 確かに黒い油性マジックが落ちている事は実感できた 「見える・・・・やっと、あこがれのあの子の あそこに逢える」 そんな思いを抱きながら、本の上から少しずつ丁寧に黒塗りを落とす、そして綺麗にマジックに取れた部分から現れたのは憧れの秘部ではなく、白く丸く囲まれたボカシ(というか消し)であった。 「やられた~」 もう1冊のお宝がある事さえ、忘れた衝撃的激震と落ち込みが疾る青春の1頁だった。 | |
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