タイトル | 風俗店のお仕事~永久に~冥福を祈って |
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投稿者 | ロッシュ |
投稿日 | 2017年01月03日 |
『風俗店のお仕事~永久に~冥福を祈って』 人の命って考えれば考えるほど・・・分らなくなってきますね(-。-;) 死んだらどうなるのか・・・???幽霊になってお気楽極楽に現世を見下ろせるなら、今すぐ死んでみたい!くらいの楽しい世界かもしれませんが!?(^▽^;) ちょっと封印していた話なのですが・・・。 これはソープでは意外と無くはない話なのかもしれません。吉原では、毎年救急車の音が聞こえてくると聞きますが!? でも、まさかヘルスでこんな事が起こってしまうとは!! 私にとって人生もう二度と体験することがないであろう衝撃的な出来事だったのですが、それ以上にその嬢にとっては絶対に忘れることのできない悲しい出来事であったに違いありません。(/ _ ; ) 嬢はお店で最高齢の40台後半、お客様もかなり高齢で70半ば。嬢とお客様は20年来の長い付き合いの揺るぎない関係です。 毎回、足もとおぼつかない感じでふらふらと帰っていくそのお客様。(起つんだろうか!?)(いや、発射できるのか!?)(そのうち腹上死するんじゃないだろうか!?) そのお客様が来店する度にいつも心配になっていた私。でもまさか、その不安が、遂に現実になるとは・・。 それは、ちょうど寒さが身に堪えるようになり始めた季節のことでした。 お客様:「今日は寒いね。」 私:「はい、もうすぐ冬ですかね。」 週一以上の高頻度で来店してくれていたそのお客様。入店して待つことなく即ご案内。恐らく冷え切った体が温まる間もなく、入室してシャワーに入る事に。高齢のそのお客様にはそれが体への負担となってしまったのだと思います。 シャワーの最中、 お客様:「ううっ!!」(声を上げた後、ゆっくりと床へと崩れ落ちた、との事) 入室後、10分くらいで、嬢からフロントへコールが入る。 嬢:『すいません、スッタフの方、誰か来て下さい!!』 フロント:「どうしました??」 嬢:『お客さん、倒れちゃって!!』 私:(え!?)その日、フロントをしてなかった私が部屋へ駆けつけると、お客様がシャワー室でぐったり・・意識が無い。 私:「○○さん~!」「○○さ~ん!!」 返事は無いが、「うぅっ・・」という感じで息はある。 (う~ん・・どうしよう・・しばらく待てば意識を戻すか!? いや、なんかヤバイな!? ・・どうしよう!? どうしよう!? (;゚Д゚)!) 私:(ん!?)(仮名のお客さんが多いし・・) 私:「△△さん!(嬢の名前)お客さんの本名は? ○○さんでいいの?」 嬢:「本名はね、□□さんなの。」 私:(やっぱ、仮名だったか・・)「□□さ~ん!!」「□□さーーん!!」「分りますか~!?」「□□さ~ん!!」 お客様からの反応は無し・・・。 私:(ダメだ!・・ヤバイぞコレ!)と思い、「救急車!!」と嬢へ伝える。 私:(救急呼んだし、後は到着を待ってれば大丈夫だろう。)と少し安心して待つ間、悲しい事にお客様の容態は悪化して行く・・。 シャワー室の中で素っ裸のお客様を背中から抱きかかえていた私。シャワー室からベットへと移動したかったところが、私と嬢の二人ではその重たい体を移動するにはムリがある・・狭いシャワー室でお客様の体を支えて救急の到着を待つのが精一杯。 私:(このまま救急を待つしかないか・・・裸で体は濡れてるし、冷えちゃうと良くないな)と思い、「△△さん!(嬢の名前)、バスタオル!」お客様の体をバスタオルで覆う。 後は救急の到着を待つだけ。(早く来てくれ!!!) 時々、「うう・・」と、声なのか呼吸なのか分からない呻きを発するお客様。 裸のお客様の身体を後ろから、ただ抱きかかえるだけの私。 (あれ!? 今、何かが消えた!?)という感触を両手に覚える。慌てて調べてみると、脈が無い・・呼吸も無い・・そして体温は手で感じ取れる位の勢いでどんどん下がって行く・・(え!? そんな!?まさか!? やばいぞ、これっ!!) 私:「□□さん!!!」「□□さん!!!」 お客様の名前をしきりと呼ぶ私。 私:「△△さん!(嬢の名前)こっち来て!」 お客様の体を後ろから支えるだけで手一杯で私の腕はあまり自由が効かない。嬢に蘇生処置を任せる。 私:「押して!ここ!」「弱い、それじゃダメ!!もっと激しく!!もっと強く!!!」(父は医者、母は看護婦の私。救急の経験は無いながらも、おぼろげながら要点は身に刷り込まれている・・アバラが折れるくらいに激しく押せ! と、確かそうだったはず?) その最中、ようやく救急隊が到着。救急コールをしてから15分~20分程だったか? でも私の感触でそのお客様が息を引き取ってから、5分は経過してしまっている。(もう、手遅れだ・・)と思いながら、救急隊に向かって「心肺停止!急いでください!!」 救急は、その後、15分程蘇生処置を試行していましたが・・断念して搬送。 嬢:「大丈夫かなぁ??」 私:「病院でなんとかしてくれてるでしょ!?」 (いや・・救急隊が来る前に、明らかに私の腕の中でそのお客様は既に息を引き取っていた・・心肺停止から5分は過ぎている・・どう考えてもあれは、手遅れだ。) そう思いながらも、「大丈夫でしょ。助かるといいね。」と言っている虚しい私。 その後、1時間後位にそのお客様の訃報が店に入る。それと同時に警察の事情聴取と現場検証が始まる。(殺人容疑) 足にビニール袋を装着し、室内を捜査する刑事。まぁ大体メジャー持って、あちこちの長さを測るだけなのが定番ですがね。 私:(お前ら、いつもただ測るだけだろ!計測フェチか!?) 珍しく、その日、刑事は、室内の温度も確認して帰りましたが。 (←それ、私の憶測の温度ですから!) 私:「私が駆けつけた時は、今の温度より少し高かったので、たぶん、室温はX度くらいだったと思いますが・・?」 刑事:「はい、そうですか。」(メモメモ) (←私の言ったこと、鵜呑みかい!) 刑事:「シャワーの温度は?」 私:(知らんがな!)「この水栓の温度位置だと、たぶん40℃くらいだったんでしょうかね?」 刑事:「はい。」(メモメモ +写真記録) (←私の言ったこと、やっぱり鵜呑みかい!) 殺人容疑でまさか警察がやって来るとは思っても居ませんでしたが・・・運悪くそのお客様の資産はx億。容疑がかかるのは仕方ないのかも知れませんが・・風俗店に対する社会の目はあまりにも冷ややかすぎる。 長年のお客様との永遠のお別れに・・嬢の涙は止まらない。 私:(殺人容疑!?)(ふざけんなっ!)私の手の中で死んでいったそのお客様。誰が殺したっていうんだ!? 殺したのは救急隊だろう!? 来るのが遅すぎなんだよ!! 帰り際の刑事の一言。 刑事:「科捜研が入るかもしれませんので、検死の結果が出るまで、部屋の中は触らずに現状維持して下さい。」 私:「あ、はい・・・」 (あん!? ふざけんな!! 殺人の余地なんかネーよ!!) その日、いつも通り、部屋を綺麗に掃除して片付けて帰る私。(指紋も全部消してやる!)位の勢いで部屋中、何の証拠も残してやるもんか!くらいの勢いで逆に入念に掃除して帰りましたね。(^-^;) 翌日、警察から「検死の結果、事件性は無いので。」と連絡が入る。 風俗店で最後を遂げてしまったそのお客様。嬢と警察の話から両親は既に親は他界しており、一人暮らしだが、兄弟が一人だけいたらしい。 訃報を聞いた兄弟が・・(あいつ、風俗通ってたのか!?) ・・どう思ったのかはわかりませんが。 風俗店で最期を遂げるなんて、誰もが絶対に嫌だと思うでしょうね!?(こんなところで死ぬなんて、絶対に嫌だ!)と誰もが思うでしょう。 一人暮らしの老人だらけの高齢化社会のこの現代。自宅の浴室で倒れて、一週間後に遺体が発見される・・。 そう考えると、人生最期の日を最愛の嬢とのひと時を過ごせた、と思うのでしたら、たとえそれが風俗店だったとしても、最高の人生の終幕だったのかも知れません!? 残念ながら、そのお客様が息を引き取る瞬間は、最愛の嬢ではなく、私の腕の中だったのですが。 でも、最後のその一瞬は、その嬢が一生懸命になってくれていました。その最期を全身全霊で見送ってもらえた。 『幸せな人生だった』 そのお客様は、息を引き取るその一瞬、きっと、そう思って天に昇って行ってくれたに違いありません。私は、そう思いたくて仕方ありません。 救急が去った後に残った、そのお客様の靴。その靴は今でも私の自宅に保管されています。どうしても捨てることができない、その遺品・・埋葬する先が、今だに分かりません。 | |
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